ANAは日本再生の先導役になれ

ANAが10月27日、2021年3月の通期決算で5100億円の赤字の見通しを発表した。国際線をほとんど飛ばせない状況ではこの程度の赤字で済むのならマシのような気もする。武漢ウイルス対策がこれまでとあまり変わらない状況が続くと、2022年3月期はもっと悪化するだろうから、経営陣は大きな事業の見直し策も発表している。

実は私はANAの株式をほんの少し持っていて、長いことANAのファンだ。全日空という3つの漢字がすべて明るいイメージがあって、企業も日本の国際化とともに世界でも有数の評価の高いエアラインに成長した。倒産の文字もちらつく現状でも株式は売る気はなく、寄り添って応援するつもりだ。

いきなり世界が縮小するという想像もできない状況になって、ANAはどういう戦略を取るべきか、というのはMBAとかの授業の恰好のテーマになるのではないだろうか。普段、難しすぎるテーマについて考える習慣がない私だが、ANAのために考えてみようと思った。

  • 国全体がデフレでお金を使わない中では海外旅行需要は戻らないから国際線はLCCにシフトする。機内食や物品販売などを含む総合産業型の航空事業は諦めて、本来の乗客輸送に比重をおいた航空事業に戻る。
  • これまで拡大してきたプレミアム旅行をさらに発展させて、旅行業の2極化を図る。人材活用のために添乗員サービスを最大限カスタマイズできるようにして付加価値をつける。
  • 航空機は、同じく物流用にもシフトする。これは今後も伸びる物流の需要を吸収するため。
  • 食の事業は、国内の飲食産業にステージを移動する、具体的には、国際色豊かな機内食的メニューの宅配、レストラン経営とか。
  • 物販は、世界の商品の安価な輸入販売を拡大して自前で物流を担当する。
  • 『ANAの口ぐせ』のような書籍に代表されるANAカルチャーを研修化して企業研修事業を拡大する。
  • マイレージの利用を航空に特化せず、物品の購入もできるようにして物販に生かす、また、JRなどと提携して、鉄道旅行などにも利用できるようにしてマイレージを流動化する。マイレージはどこかのタイミングで清算して一旦終了する。

こんな感じで自分でもさほどダイナミックな転換の発想ではないと思うが、優秀なコンサル担当は国内にも大勢いるので、そういう力を利用してV字回復してもらいたいものだ。ANAやJALなどの航空業界、JRなど鉄道業界などは重厚長大産業で、どこも同様に先が見えないと思う。また、この状況は日本に限ったことではなく、世界中がそうである。ANAは、日本を、世界をリードしてほしい。
これまでの海外旅行を楽しむ特定の日本人を相手にするだけでなく、もっと多くの日本人にいろいろなサービスを行って、より愛されるANAになれ!

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