フランクル『夜と霧』-致知10月号から
今月の月間致知のメイン位置にある対談記事「フランクル『夜と霧』が教えてくれた 人間の光と闇」は人間学追及の致知の真骨頂のような名対談だと思いました。対談者は、作家の五木寛之さんと、もともと医師で、現在は公益財団法人国際全人医療研究所代表理事の永田勝太郎さん。フランクルに師事した永田さんが、『夜と霧』が示唆する、困難な人生を生き抜く大事なヒントを五木さんと語ってくださっている。
『夜と霧』は私は未読です。ちょっと前に、大きな書店でこの本が目に留まり、今回は買おうかと思ってパラパラ内容を確認してみたら、前書きに、大東亜戦争における日本軍による南京大虐殺というでっち上げの事件を絶対の真実として、日本を非難するような記述があったのを見つけて、結局買うのはやめてしまっていました。で、この対談記事があまりに素晴らしいので、今回、改めて調べてみました。現在も売られている『夜と霧』には新版と旧版があって、私が見たのは旧版のほう(確かに昔から見ていた装丁のものだった)で、その記述があり、一方の新版にはそれがないらしい。ということで、次に機会があったら新版を買おうと思っています(私は基本、アマゾンでは買わず、リアル書店または日本のネット書店で買います)。
この対談記事のエッセンスは、致知のネット情報サイト、WEBchichiに掲載されているので、ここをご参照ください。
対談内容を凝縮したような言葉が、この五木さんのこの言葉「僕が大事だと思うのは、日常の小さなことに喜びを見出して生きること。
日常の些事、小さな出来事が、極限状態の中で人の生命を支えるということがあるような気がするんです。」
永田さんがフランクルさんからもらったメッセージでよいと思ったもの「あなたの命というものは、あなたのためにだけあるのではなくて、あなたは支えるべき誰かのためにある。それを忘れてはいけない。」
もうひとつ五木さんが語ったこと「笑うことはとても大事だけれども、同時に泣くということもものすごく大事なこと。」
私の人生でこの言葉がどう重なるかと考えたのですが、私は器用ではないので、辛く惨めな思いも多くしてきて、スランプになることも多かった。でも、現在、自分は打たれ強い人間になったと思っている。それは、五木さんが言うような泣くということはもう人生の3分の2以上なかったことだけど、それに代わって、音楽や映画や文学などで琴線に触れて、心で泣くことを多くできて、スランプを克服してこれたからではないかと思っています。特に私には一番身近な音楽は大きかった。私の標語がタワーレコードさんのNo Music No Lifeである所以なのです。