鈴木宣弘教授の講演@参政党練馬TM

3月12日の日曜日、西武池袋線練馬駅隣接のcoconeriにて開催された、参政党城北支部主催のタウンミーティングに参加しました。この日は、東京大学大学院の鈴木宣弘教授の講演がメインでした。食から日本滅亡が一番怖いで紹介した、教授の最新著作、『世界で最初に飢えるのは日本人』をベースにお話しされるものと思っていましたが、ほぼその通りでした。会場に自家製のスライドを写して講演されたのですが、スライドは文字ぎゅうぎゅうのページが120ページもあるボリュームで、全体の内容を知ったところでは、『世界で最初に飢えるのは日本人』の下書き原稿をそのまま使用されているのかなと思えました。

今回、教授の話を直接聞けるということで十分ではあるのですが、プラスアルファとして、この著作でどの部分を強調されるのか確認したかったことと、この著作の書下ろし以降の状況について、つまりアップデートのお話が聞けることを期待していました。せっかくこのテーマに関心のある聴衆を前に講演をするので、客観的な情勢の説明よりは、問題点を共有して、では、聴衆を含めて国民はどう行動して事態を改善してゆくかということが教授の目的でしょう。なので、この部分を教授はどう伝えるのかに私は注目したのと、最近の動静としては、著作の中でも危惧されていた、コメの供給過剰による販売価格が農家に採算割れを引き起こしている問題や、酪農家いじめの酪農政策による酪農家の窮状が日々伝わってきて、あまり希望のあるニュースが聞こえてこない中で、何か前向きになれる情報はあるのか、気になっていました。それから、直近では、昆虫食の推進ですね。著作の中ではまだ触れられていないトピックです。

そして、拝聴してみての印象で言えば、鈴木教授は淡々と話を進められて、ここを強調ということは感じられず、アップデートもなかったと思います。まあ、仕方ないところですねー。半年程度でそうは状況は劇的には変わらないかもしれません。どちらかというと苦境にいる農家、酪農家が、この間、バタバタと廃業となっているなどという悲しいアップデートを聞かない方が良いかもとも思えます。ただ実は、この点に関して、鈴木教授から、リアルなアップデートはあったのです。交流のある一家で4件ぐらいの悲報(自害とか)の連絡をもらっているということを口頭でのみ仰っていました。暗澹たる気持ちになります。

それからアップデート的な話が聞けるのは質疑応答の時間なのですが、ここで出てきた質問は、コオロギ食。それから、安全な食品を選別して食べるべきというけど経済的な余裕がなければ実践はむずかしいので他に消費者ができることは?など。共に現在の食に関する核心をついた質問なのですが、教授はスーパーマンではなく、やはり堅実なアカデミックな世界の方なので、両質問とも答えるのは難しいと思ったのですが、そのとおりのようでした。前者は陰謀、後者は、経済・貧困の問題ですからね。答えが見つかれば苦労はないと思います。(後者はまともに対応すれば解決可能のはずですが)。具体的な教授の回答は、前者は分からない、後者は、欧米の賢明な消費者たちのように結束して金儲け主義の企業たちに対抗しなければならない、というもの。教授としては、強大なアメリカからの圧力に対抗するには、1億国民の結束で対抗する以外の解決策は見いだせないのでしょう。仕方ないと思いますし、これしか道はないと私も思うのです。

鈴木教授は、最初に、昨年末に倒れてしまい、それからまだフラフラするので座って話させて下さい、と仰っていました。頻繁に全国で講演活動をされていて、この日の後もTwitterで一日の間に2か所を講演するとツイートしていました。国民を束ねることに努力されていて、頭が下がる思いです。鈴木教授の熱い闘いに何とか加わりたいと思いますが、消費者の結束ということに関して、すでに実践しているアメリカおよびヨーロッパの国は、やはり社会活動への参加の精神が強いのに対して、多くの日本人にとって社会活動への参加が日常ではなくて、参加率はほんの小さなものだと思うので、ここをどう変えていくかだと思います。食の危険な状況を、それが現実になる1年以上前に国民が知り行動しなくてはなりません。

このサイトをフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です