区議会初傍聴

10月5日の木曜日、私の地元の杉並区議会の決算特別委員会を朝から2時間だけ傍聴してきました。本会議と同じ議場で行われるのかと思っていたのですが、決算特別委員会は、違う場所でした。同じフロアの後ろに傍聴席が配置されていて、より身近な感じかもしれません。午前中の傍聴者は、私を入れて5名。質問者は、ひとり会派(党に属していても議員がひとりだけとか、無所属など党に属さない議員ひとりで構成する会派)のブランシャー明日香さん、奥田ゆりさん、木梨もりよしさん、堀部やすしさん、そして、自民党議員と自民党と方向性を同じくする無所属議員たちで構成する自民党・無所属杉並区議団のへんみ純一さん、浅田くにおさんでした。面白かったですねー。もうずいぶん長いこと見ていませんが、国会中継を見たときは、あまり各官庁での官僚・国家公務員の仕事ぶりとかあまりイメージが掴めた記憶がないのですが、今回、間近で見た区議会では、役所レベルの公務員さんの仕事ぶりの一端がイメージできた気がします。堀部さんの質問のテーマのひとつが永福体育館のビーチコート運用(Xでも以前からツイートされています)だったのですが、担当部署の課長への質問は容赦なくて、課長や担当者は右往左往していました。役所の勤務は気楽なものかと思いこんでいましたが、上司とかではなく、定期的に議員から根ほり葉ほり突っ込まれるという立場って決して気楽ではないと思いました。6人の質問テーマだけでも役所の業務範囲は広くて、デジタル化も難しい領域は多いでしょうから、予算や人員配置が適正でないと、厳しい部署は多いかもですね。もちろん、こういう状況は杉並区役所に限らず、どこの役所もそうなのだと思います。役所と民間企業の違いって、滅茶苦茶多そうで、一度分析してみたい気がします。きっと、そんな分析はこれまで多くされているでしょうから、本とかで読めばいいかもですが。そんな分析を元に、役所の仕事の効率化を阻むものは何かが分かると思います。私の直感では、やはり適正な予算と人員の確保と思います。何しろ税金額に縛られるでしょうから。

質問と答弁を聞いていて思ったことを羅列してみます。

  • 議員から主に課長クラスの職員への質問の形式を取るのですが、基礎的なデータを確認するような質問から始めて、頻繁な行ったり来たりのやりとりとなります。何年もの間、基礎的なデータは、何度となく言わされることになるのではないでしょうか。これは時間が勿体ないし、何度も言わされる課長さんたちには気の毒に思います。
  • 三権分立の上にたつ議会と役所という、民間の営利企業とは異なる構造なので、民間出身の私にはなじみもないし、どうあるべきかは軽々には言えないのですが、議会(議員)VS役所(職員)の間の情報の共有がもっと頻繁で多ければよいと思います。そういう体制のフローの見直しというのは長い年月に行われているものなのでしょうか?
  • 上記の堀部やすし議員の突っ込みの区の施設の運営ですが、これはもちろん現区長時代に建てられたものではありません。前々区長の山田宏さん(現参議院議員)なのか、前区長の田中良(印象悪いの呼び捨て)なのか知りませんが、区長のイニシアチブで進められたのもかもしれません。役所は、知事、区長、市長、などの各行政のトップが選挙で選ばれてコロコロ変わるもの(何十年変わらないところもありますが)なので、そういうトップの方針変更による影響は大きいのだろうと思います。容赦なく攻め立てられた課長たちは後を任された辛い立場なのかもしれません。そういう中でも智恵を出して最善の運用をしてゆくことが能力のある課長なのだとは思いますが。
  • 議員さんの質問のテーマは各自の専門や関心のある分野が選ばれるのだと思います。ブランシャー明日香さんが質問を集中させた区庁舎の再エネ利用率などは気候温暖化はグローバリストによるプロパガンダと思っている私にはどうでもよいことですが、それでも質疑を聞いていれば面白いものです。現在の再エネ率は50%だか60%だかと答弁していたと思いますが、そんなに高いのか―と素直に思いますし、電力の購入先が各区でいろいろ、東京電力から離れて戻ったところもあるとか、杉並区は東京電力が80%だとかわかりました。何となく、テーマはやっぱり地域の施設活用みたいなものも多い印象ですが、これは仕方ないですね。

それから、現在注目を浴びている岸本区長は、当然、区職員たちと答弁側にいらっしゃいましたが、二回ほど答弁されていて、鋭い突っ込みに、なかなか苦慮している様子が伝わってきました。好き勝手やって、答弁も適当にごまかしているのかと想像していたのですが、そのようには見えませんでした。もともとバックグラウンドがなかったのに、いきなり区長になるというシンデレラストーリーのような岸本区長ですが、幅広い領域で質問が飛んでくる可能性がいつもあって、答弁しなければならない立場って決してありがたい身分ではないなという気がしました。間近で拝見してやっぱり岸本さんも人間だと思えたのですが、そんな多少親近感を持てた状態で思うのは、願わくは、区長になった以上はしっかり区政に集中して、区行政を効率化し、こういう答弁のときでも職員たちを護ってゆくようになって欲しいと思いました。

今度は午後から傍聴開始して、最後まで見たいと思っています。

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