『神韻』見ました
先週の1月26日金曜日、八王子のJ:COMホールにて『神韻晩會2024 SHEN YUN』を見てきました。この神韻芸術団を知ったのは、及川幸久さんがSNSで推してくれたから。及川さんが最初にこれを紹介してくれた時にまず思い浮かべたのが、いわゆる中国人によるアクロバット体操。子供のころよくテレビで見た曲芸コンテストでは中国人のグループも出て来て、それはそれは、完璧と言える演技を見せてもらっていたもので、中国人の技を極める姿勢は凄いなと思ったものでした。その記憶があるので、きっと凄い曲芸団なのだろうと思ったのですが、でもそれだったら及川さんはわざわざ推薦しないかもと思ってその推奨理由をよく聴いてみました。そうすると、彼らは、拠点をニューヨークに置いた、中国系アメリカ人で構成されている、歴史ある中国伝統舞踊を守り世界に披露している非営利団体とのことでした。そして、彼らは中国の共産党支配に反対しているので、中国大陸には入れない。つまり、パンフレットに書いてある彼らの言葉で言えば、伝統ある中国人の、天を敬い徳を重んじ、善行に努めてきた民族を継承した人々ということです。及川さんの感じたところだと、彼らは反グローバリズムであると。
動画で公開されている映像を見ると、中国古典舞踊をフィーチャーしているものの、アクロバチックなシーンが目立つので、どんな構成のショーなのでしょう、と興味を持ちつつ、とにかく、美しい色の衣装と女性たちの踊りだけでも見るのは目や精神の保養になると思い、鑑賞させていただくことにしました。本当は、子供たちにもこういう異文化や美しいものを見てもらいたかったので家族で行きたかったのですが、スマホにどっぷり浸かった今の状態から抜け出させて興味を持たせることはできず、まずはひとりで行きました。
この日は、八王子のJ:COMホールで昼14:00からと夜19:00からの2回がありました。2時間のショーで激しい動きの多いと思われるのに日に2回行う体力にも驚かされます。私が見たのは夜の方でした。予定どおり19:00開演。予備知識がなかったので知らなかったのですが、このショーは演目が細かく分けられていて、各演目の開始前に司会の方が内容を紹介してくれます。この日の司会は、小嶋千聖さんという女性と、ジャレド・マドセンさんという男性。マドセンさんは国籍不明の風貌をしていました。小嶋さんという方は知りませんでしたが、その淀みのない美声による説明は、相当できる方と思いました。後で調べてみるとエポックタイムズのキャスターのようです。どうりで・・。演目は、踊りをベースに、男性、女性それぞれの踊りだけのもの、ストーリーのある寸劇、ピアノが伴奏するテノール独唱、同じくピアノ伴奏のソプラノ独唱、これもピアノが伴奏する二胡演奏で構成されます。踊りは事前にYOUTUBEで見ていたとおり、素晴らしいです。10人+αのグループでハーモニーを取って踊るのですが、寸分違わぬ動作、歩くのではなく流れるように移動する足の使い方(長い裾の衣装なのに裾踏んだりしないのですねー)、絶やさぬ笑顔、ところどころで見せるアクロバット、それぞれで使う小道具の美しさ。魅了されました。グループで踊るので、すべての演者の動きは見られません。一人だけのダンスなら失うものはないでしょうが、皆の動きを見切れないのが勿体ないと思わざるを得ません。女性のそれは華やか艶やか、男性のそれはスピードと力強さがあって、甲乙つけられません。寸劇はがあることは全く予想していなかったのですが、これはミュージカルの音楽の代わりにダンスがあるような感じですね。最初のほう、見ていてもストーリーを追えませんでした。部隊上の登場人物も多いので、主役たちを把握できないとそうなることがだんだん分かってきました。寸劇なのでストーリーも展開もシンプルですが、コミカルで面白いものでした。寸劇は特にそうですが、特徴的なのが、背景の巨大スクリーンに映る映像と舞台上のシーンの融合です。映像の濃厚さと緻密さは、CGを使える現代ならのものですね。これは見てみないと分からないと思います。映像とリアルな舞台上の動きをそう融合させるかも見てのお楽しみですね。
今回の日本公演は2月16日の福岡で終了する予定のようです。次回は、また、年末ごろなのでしょうか?毎年、世界各国で行われるこの神韻芸術団がによる公演、多くの人を集めていて、収益力もあると思いますが、彼らが非営利法人であることはやはり今の世界の歪んだ部分を顕しているように思います。非営利法人であること、営利よりもパフォーマンスを見せることで、世界に問題を伝えている気魄を感じます。中国人の優秀さをこういう所で見せてもらうことで、将来の日中協調で世界の平和を維持するような夢も少し持てたりします。