中国人権侵害非難決議見送りはどれだけ日本国民に響くか?
6月16日、第204回通常国会が予定どおり閉会され、重要法案は、可決されたものもあれば、見送られたものが出た。いつものことであるが、先送りして本当にいいの?と危惧される重要法案が見送られていて、今後の影響はいかばかりか。
私自身、国会の動向に今回ほどやきもきしたことはかつてない。本当にいま決めなければ国家の危機が日々、ますます大きくなるような法案が多くあったのだ。前にも書いたが、もっと早く法制化したり、改正したりしなければいけないものが多かったのに、ここまでまともに審議されてこなかった結果である。
今回考えたいのは、現在進行形のウイグルに対する中国共産党による人権侵害への全会一致の非難決議が見送られた件。これは法案ではないのだが、主要な先進国の議会が決議を出している中で、日本だけがまた当面出せないでいることになってしまった。この決議を行うことは会期の当初から進められていたのに、野党が了解しないとか、遅延工作が入ったようで、時間切れにもっていかれた。一番の問題と思われた野党の反対がなくなって、与党での決定待ちとなった段階で、自民の親中議員たちや公明党の反対勢力によりまとまらなかったと言われていて、様々な駆け引き模様が多くのジャーナリストや議員から説明されている。その中でやはり一番内部事情を多面的に伝えてくれ、大局的な見方を示してくれているのは青山繁晴参議院議員だと思う。この問題について中心的な立場で活動していたのは国民の尊厳と国益を護る会の副代表で議連の副会長の長尾たかし議員だから内部の情報は得られていたようだ。こちらは必見と思います。
【ぼくらの国会・第170回】ニュースの尻尾「あえて真相暴露 対中非難決議」
これを見て思ったのは、今回の恥ずかしい結末が、やはり与党側の自民党と公明党それぞれが党内をまとめきれなかったことが元凶とわかったこと、公明党も一枚岩ではないこと、公明党の親中ぶりが白日のもとに晒されたことで、今後国民の目が厳しくなるかもしれないことだ。特に最後の青山さんが仰っていたことが独自のもので、日本の非難決議だけだと中国には痛くも痒くもないから、次の国会では、非難決議とともに制裁を行うことを決めて他の西側陣営からの遅れを一気に取り戻す、そして、そのための状況は少し進んだと考えているということだ。今が真っ暗な状態。ただし、これから光が少しずつ指し始めるころ、と思いたい。
そこで気になるのは、今回の一件が、どれだけ多くの国民に響くのか、である。オールドメディアがこれを多く取り上げて報道するとは思えないが、ユニークなトピックではあるので、どうにかして多くの国民に届いて欲しいものだ。光が指し始めて、その光が拡大するための条件は、やはり、国会がまともに機能することだ。野党側を健全な野党にすることは最重要だが、与党側の自民党が芯が通らないのは、公明党への依頼心が強すぎることも大きな原因で、ここも手当が必要だ。せっかく、公明党のゴミぶりが明らかになっているので、自民党が選挙を自力で闘う方針に転換して、公明党を切り捨てさせたい。そのためには、次の衆議院議員選挙までの各種の選挙で、国民が、現状を変える行動をし、公明党候補や、公明党推薦の自民党議員を当選させないようにすることだ。
今回の日本の外で起きている恐ろしい出来事への非難決議の採択の失敗という稀な事態が、そういう動きを後押しする契機になれば、少しだけ救われるというものだ。