映画『めぐみへの誓い』が完成
北朝鮮による日本人拉致の問題を描いた映画『めぐみへの誓い』が完成して、現在、日本各地で試写会を開催している。とは言っても、大々的ではなく、地道に全国のどこかで一か所ずつの開催となっている。先日は、私の実家のある埼玉県の蕨市で行われた。この映画の監督を務めた野伏翔さんが在住しているから、という理由のようだ。
この映画はもともと舞台劇で公演を続けていたものを映画化した。舞台よりも映画のほうが多くの観客に見てもらえて、日本人にこの問題への関心を多くもってもらえると考えたのだと思う。映画化にあたっては、資金をクラウドファンディングで集めた。確か目標金額が3000万円だったと思う。映画製作を3000万円でできるのだろうかとファンディング中は思ったものだ。現在、公開されている公式WEBサイトによれば、結局、クラウドファンディングで集めた映画の製作資金では、『この世界の片隅に』を抜いて最高額になったとのことだ。
私もファンドに協力したので、都度、メールをいただくのだが、日々、忙しいので、なかなか細かい状況は追えなかった。その公式サイトで見て分かるのだが、映画の製作は、原田大二郎さんなど、長い経歴を誇る名のある俳優さんたちやスタッフなどはほとんどノーギャラに近い形で進められたのではないだろうか。そうして、映画はクランクアップされたらしい。しかし、いざ、映画の公開になると、また、お金がかかることは大人なら分かることだ。現状、資金が十分にあるようには見えず、サイトのほうで引き続きの資金協力の募集をしている。クラウドファンディングの時からそうなのだが、協力者には、映画の終わりに出すエンドロールで名前を表示してくれることになっていて、これからの協力者も同様に表示されると書いてある。
拉致被害者の救出の問題は、安倍内閣の最重要課題だった。憲法改正、デフレ脱却などと並んだ最重要課題だったのだ。でも、野党やメディア、内なる敵などに妨害されて叶わなかった。拉致被害者救出は、憲法を改正して、自衛隊を憲法上明記して、外国での国民救出ができるようにすることが正統的な手順としては前提だったので、憲法改正がままならなかった以上、どうにもならなかっただろう。だから盟友のトランプさんに協力してもらうことが現実的な戦略となった。
そもそも、この問題は国民のバックアップが足りない。他人事なのだ。それを知っていて、北朝鮮は強気に出ているのがずっと続いている。世の中には理不尽なことは多く、それによって考えられない苦境を経験する人は多い。何の落ち度もないのに殺されたり、大事故にあったり、幼児が親から虐待されたり。外国人に拉致されて連れていかれてしまうのも、残酷さでは同程度かもしれない。でも、国の存在は国民を外国から守ることなのだ。人ひとりを守るために、何名もの救出隊の命を犠牲にすることは厭わないほどの国の義務といえる。今の日本人に、この理念を理解することは難しいかもしれない。それを少しでも正すためにこの映画は作られた。
私にできることは本当にちょっとだけだが、公開されたら家族と一緒に見に行く。子供には辛い映画だとは思うが・・・。