茂木外相と平成維新の会

菅内閣でも外相留任した茂木外相はアメリカでもタフニゴシエイターとして知られる、個人としては有能な政治家のようです。将来の首相候補と言われています。そんな茂木さんが安倍政権でTPP11の交渉を担当して脚光をあびたときに、経歴を調べてびっくり。平成維新の会の事務総長をしていたのでした。

平成維新の会は1992年、マッキンゼー支社長として多くの著作を出したり、TVにもよく出ていた大前研一さんが設立した団体でした。私は、社会人になってから大前さんに信奉し、日本を普通の国にしようという志に共感していたので、最初から参加していたのです。基本コンセプトは、日本には規制も多いし、非効率なところも多く残っているので、どんどん海外基準に合わせたりして効率化し、日本をよくしていこうというもので、一応、愛国的な心を持った政治改革志向団体でした。発足した最初の夏かな、当時住んでいた埼玉県支局が開催した集会に参加したことを今も覚えています。

平成維新の会はもちろん大前さんを代表としてその回りに会を運営する中心人物たちがいて、その中のひとり、長妻昭さんとかは会の仲間うちで話題になったりして知っていましたが、茂木さんは知りませんでした。調べてみると、現在ほかに議員になっている人としては長島昭久さんも事務局の中にいたのですね。茂木さんは早くから自民党、長妻さんは民主党系の顔、長島さんは民主党を経て今、自民党となっていて、それぞれバラバラ。茂木さんと長島さんは近づきましたが、長妻さんは立憲民主党の路線から逸れることなく、同じルーツなのにこの分離は何?と不思議に思うばかりです。もっとも、TVタックルとかで、かつて若手ホープとして正論を言っていた議員の中で、今はハチャメチャなコメントをしているという例が少なくないことを見ても、政治家は変節し、言っていることと思っていることは別というのが政治の世界なので、これに限ったことではないことは分かっているのですが。

今、思えば、大前さんの思想は、グローバリズムに根差し、効率化進歩主義重視、伝統とかにはさほど重きをおかないもので、今の私の考えにはあわなくなっています。日本が皇室を中心に2000年以上続いてきているバックボーンと相いれないものが確実にあるとすると、何かを取って何かを捨てるしかないと思えるからです。

茂木外相は、マッキンゼー出身のつながりで大前さんと協働したと思いますが、早くからひとり、代議士となった強者で、とっくに平成維新の会の理念からは独自の理念に移っていると思います。日本の国益のために力を発揮してくれるものと期待しています。

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