すぐそこにある2030年、国家危機となる？

チャンネル桜は、Front Japan 桜、闘論！倒論！討論！に加えて、水島社長との対談番組の馬淵大使版【桜無門関】、林千勝版【今、世界はどうなっている】、他シリーズが看板番組としてありますが、昨年末から、それ以前はイレギュラーで水島社長との対談番組に出ていたワシントンDC在住の国際政治ジャーナリスト、伊藤貫さんのひとり評論番組【伊藤貫の真剣な雑談】が加わった感じです。世界を支配する暗部に光をあて実態をあぶりだす馬淵大使や林千勝氏との対談の一方で、こちらは表の世界をリードするアメリカの表面の動きから、リアルタイムの状況を現地から浮彫りにしようという意図があるのでしょうか。私は水島社長と伊藤さんとの対談番組は何度か見ていましたが、日本に関しては絶望的なコメントが多くて、何とか日本を護ろうというスタンスの私には受け入れ難いというところがありました。しかし、今回、2月5日配信の第４回の「核を持てない日本の末路」を1時間20分見て（聴いて）、核心の部分で日本が本当にすぐ間近に迫った危機にあると思い知らされた感じがして、伊藤さんの話はしっかり聴いておかないといけないと思ったのです。

そこで遡って第１回（後半）を見てみると、アメリカは韓国の核武装を容認すべきというアメリカの大学教授の論文の紹介と、実際に韓国が核武装の準備を進めているということについて論じていました。この論説がなされている理由は、つまるところ、北朝鮮の核ミサイルがアメリカ本土に届くまでになったからということに尽きるようです。アメリカが極地紛争に介入すれば、アメリカが極地での核戦争にまで巻き込まれるリスクがあるというわけです。そして、伊藤さんは韓国が核武装するという方向性は正しいという意見でした。一方で、伊藤さんは、ずっと前から日本が核武装すべきと主張してきているのに、日本にはまったくその動きはなく、議論さえしていないと嘆いているのです。日本は、外務省、防衛省、自衛隊、国会議員、マスメディアに加えて、保守の論陣を張る保守論壇誌（WILL、HANADA、正論とかでしょう）までも核武装の主張がなく、周りから威嚇してくる外国の悪口ばかり言っているので議論にもならないとのことです。論壇誌は私に余裕がなく、ほとんど読んでいないので、正確なところは把握できていませんが、確かに、虎ノ門ニュースとかでのコメンテーターからは、日米安保条約の維持の主張は何度でも言われますが、日本による核武装までを強く、しつこいくらいに言う人はいないかもしれません。憲法改正もままならない状況で現実的なところとして日米安保という核の傘の下にいることの継続という結論で終わってしまっているということでしょうか。ちなみに、保守論客よりも遥かに核武装について方針を決めるべき責任のある国家中枢の、総理大臣、大臣、政府、国会議員などの姿勢に関しての批判は先の第4回の動画でその歴史から論じてくれています。

北朝鮮や中国が現在でも保持する核爆弾、そして、韓国までも核爆弾を持つようになったときに日本としてどう考えるべきかは複雑すぎて難しいというのが正直なところです。世界が均衡を保っている間は、現在でも、北朝鮮や中国から日本に核ミサイルが撃ち込まれることは考えずらいです。しかし、均衡が崩れたときはどうなるか。北朝鮮が自暴自棄になったときに巻き添えに日本に爆弾を飛ばしてくる恐れはないとは言えないと思います。また、アメリカが手出ししないと分かれば、中国は核を持たない台湾や日本を核威嚇であっという間に占領するでしょう。現在の世界を見れば、まさしく、これまでの前提がひっくり返ったような混乱の真っただ中にあるし、この混乱が止む気配は今のところなく、混乱が継続して本当に均衡がなくなった世界になるという可能性は否定できません。伊藤さんは第４回の話の中で、このままでは日本は8年後にでも滅びる可能性があると言っています。なぜ8年後なのか、滅びるとはどういう形でか、とかまでは詳しく説明はしていませんでしたが、8年後は2030年。現状を見ると、8年後というのはそんなにありえない未来ではない気がします。

日本の危機は、デフレ継続によって、世界の中での経済力が低下し、国民の貧困化、国土の荒廃、外国からの浸食などを引き起こす経済面での危機、それが引いては優秀だった国民の能力低下や国民性の喪失にまでつながってしまう本当の国力の低下も深刻ですが、核攻撃による力ずくの侵略や国土破壊は、突然、一瞬で起こりうることなので、もっと現実的で深刻なように思えます。日本人は、言霊信仰を捨てて、長い世界史においては無数にある国家滅亡を真剣に心配して、一刻も早く国家の体制立て直しをしていく必要があります。伊藤貫さんの警告にを引きつづき傾聴して皆で考えていかなければなりません。（ちなみに目からウロコの三橋理論で紹介した、世界でもっとも考えることをしない国民は韓国人と日本人、という風評を教えてくれたのは伊藤さんでした）

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